そして先ほどのGパン刑事が、「紅茶がいい?コーヒー?」と聞くのです。
 私は思いがけない場所でアフタヌーンティーを頂くことになりました。
 ドアーは開けたままにしてくれたので隣の部屋の様子が良く見えました。
 次々に戻ってはまたでていく刑事達がGパンあり労務者風あり、様々な格好をしていて、まるで映画の一場面を見ているようでした。
 彼らは一般人と見分けがつきません。
 でも必ずトランシーバーをビニール袋に入れたりして持っています。

 
調書はGパン刑事が状況説明をして「これでいいですね」という形ですすんでいきましたが途中で上司が入ってきて、「調書は本人が言った言葉を書かないといけない」といわれました。
 時間がなければ他の日に来てくれてもいいといわれましたが「時間は充分にある」と言いました。
 日本人通訳を呼んであげるといわれ、来るまで待つことになりました。
 「夫が心配するといけないので電話させて」と頼み夫の会社に電話しました。 
 「娘にも電話したい」というと笑って「日本まで電話するんじゃないよね」といわれました
 
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ロンドン生活日記(45)1988〜1992
アフタヌーンティーを警察で
 
 

ロンドンでは5月というのに真夏なみの暑さが続いています。
 先日、観光客で賑わうオックスフォードストリートのデパートでスリに遭いました。
 突然、ハンサムなGパンをはいた青年が「あなたのバッグの中身を調べて欲しい」と言うので不思議に思いながらバッグに目をやると、バッグがパカッと口を開けているではありませんか。
 中を見るとなくなっているものはありませんでした。
 それで「大丈夫です」といったのですが、身分証明書を見せ「警察に一緒に来て欲しい」とのこと。

 

いつの間にか、捕らえられた、犯人と共にパトカーを待ちました。
犯人は子連れのジプシーの女でした。
 来た車はバン型のパトカーで後部に窓がありません。
 これも経験のうちと真っ先に乗り込もうとしたら「違う」と言われ助手席に座らされました。
 後ろの席は犯人のためのものでした。
 しばしのパトカードライブのあと警察の取調室に通されました。
 4〜5u(3畳ほど)のFIX窓があるだけの小さな部屋でした
そこには、机と椅子あり、テレビなどで見たことがあるなあと思いました
 意外だったのは壁がピンクと白のまるで小児科の病院のような配色だったことです。

 

 日本人通訳が来て法律用語の説明やら、必要な時は裁判の証人になるということなど書かされ、調書が完成するまで約3時間半。
私は思わず「犯人のほうが早く帰されたんじゃないでしょうね」と言ってしまいました。
 記念に調書に使われる紙とメモを貰い帰りました。 
 心配した夫が迎えに来てくれましたが、やけに楽しそうな顔をした私を見てホッとするやら呆れるわでした。
 やっぱりアフタヌーンティーは田舎のコテージかホテルのレストランでのんびりというのが良いようです。
 日本は今まさに新茶の季節。
 紅茶にも短い期間売られる新茶があります。
 家に戻りホッとするとどっと疲れと恐怖心が湧いててきました。
 子連れのスリはイタリア名物とは限りませんでした。