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ロンドン生活日記(37)1988〜1992
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プライバシー
クリスマス休暇から帰って、家でほっとしている時、娘が「お母さんここに見た事のないコーヒーテーブルがあるけれど、どうしたの?」と言うのでソファーの方を見ると、なるほど見覚えのないテーブルがありました。
 入居して7ヶ月ぶりにやっと入ったテーブルですが、いくらなんでも断りなしに他人の家に入るなんて、余りにもひどいと思い次ぎの日、不動産屋に文句を言いに行きました。
 すると私の顔をみるなり満足げな顔で「コーヒーテーブル届いたでしょう?気に入った?」と言うのです。
そこは英語が苦手の私、情けない事に「ありがとう気に入ったわ」と言って引き返しました。
 確かにずっと待っていたものなので嬉しい事には違いないのですが、何か割り切れません。
ある日友達にそのことを話すと「この国では大家は必要があれば何時でも貸してある家に入れるのよ」と言うので、驚いて契約書を見ると、確かにそう言う事が書いてあります。プライバシーの侵害にならないのだろうか、日本でもしも同じ事をしたらきっと問題になるに違いないと思いました。
 夫に話すと、どうもプライバシーに関する考え方が違うのではないかというのです。
 例えば会社でも、日本にいた時は社員名簿があるのは当たり前で何とも思わなかったのが(注 現在はありません)ここではプライバシーの侵害になるので人事担当者以外には、名簿の公表をしないそうです。
 住所からどんな階級でどういう教育を受けているとか、いろいろの事が分ってしまうからでしょう。
 そのせいか学校でも住所録がなく、緊急連絡網と言うものがありません。
 湾岸戦争の時には、娘の学校の役員は苦労といやな思いをしたようです。
 親の勤め先の電話も教えてもらえず、何かあったらとても間に合わないと思いました。
 プライバシーひとつとっても随分違うものだと思いました。